チェスのルールと駒

一見、難しそうなチェスですが、ルールはシンプルで初心者にも簡単です。チェスのボードやピース(駒)は気軽に手に入るので、まずは、基本ルールを覚えて始めてみましょう!
チェスとは

チェスは、ルールが将棋と似ていて「西洋将棋」と訳されることもあるボードゲームです。実は、シンプルで簡単な基本のルールを覚えて始めてみましょう。
チェスの起源は、古代インドの「チャトランガ」というボードゲームだと言われています。日本では、将棋に比べると競技人口が少なく、馴染みも薄いと思いますが、150か国以上の国々がチェス連盟に加入していて、全世界で楽しまれています。
チェスの基本ルール

ゲームは、8マス×8マスのチェス盤上で白い駒と黒い駒(全6種類32個)を使い2人のプレイヤーで行われ、相手の「キング」を追い詰めた方が勝ちになります。
*白い駒が先手、黒い駒が後手となります。

双方のプレイヤーは、交互に駒を1回ずつ動かし(パスすることはできません)、相手の駒をとることができます。自分のピース(駒)があるマスには移動できません。
相手のキングのピース(駒)を取ろうとする手を「チェック」と言います。
キングの駒が絶対に逃れられないように追い詰める手を「チェックメイト」と言い、ゲーム終了です。


チェス盤とピース(駒)初期配置
ピース(駒)と基本の動かし方ルール

チェスのピース(駒)は、全部で6種類あります。それぞれ動きが異なりますので、ピース(駒)ごとにご説明します。

兵隊を意味するポーン(記号:P)は、6種類の中で最も弱いピース(駒)ですが、勝敗を分けるカギとなる場合もあります。
前方向へ1マス進むことができ、後退はできません。但し、最初の位置からの移動のみ2マス進めます。しかし、相手のピース(駒)を取る時のみ、斜め前へ1マス進めます。前方向の相手のピース(駒)は取れません。
移動するときと相手のピース(駒)を取るときの動きが違うのはポーンだけなので、注意しましょう。
ポーンの動かし方

ポーンの動かし方ルール
ポーンの相手ピース(駒)の取り方

ポーンの相手ピース(駒)の取り方ルール
ルーク(Rook)の動かし方

城や古代戦車を意味するルーク(記号:R)は、縦方向と横方向へ何マスでも進めますが、進む先に自分のピース(駒)がある場合は、飛び越えることはできませんので、移動はその手前のマスまでです。
移動したマスの相手のピース(駒)を取ることができます。
ビショップ(Bishop)の動かし方

僧侶を意味するビショップ(記号:B)は、斜め方向に何マスでも進めますが、進む先に自分のピース(駒)がある場合は、飛び越えることはできませんので、移動はその手前のマスまでです。
移動したマスの相手のピース(駒)を取ることができます。
クイーン(Queen)の動かし方

女王を意味するクイーン(記号:Q)は、ルークとビショップの動きを併せ持つ最も強いピース(駒)と言えます。
縦方向・横方向・斜め方向に何マスでも進めますが、ルーク・ビショップ同様、進む先に自分のピース(駒)がある場合は、飛び越えることはできませんので、移動はその手前のマスまでです。
ナイト(Knight)の動かし方

騎士を意味するナイト(記号:N)は、少し複雑な動きをします。
前後に2マス進んだその左右のマス、左右に進んだその前後のマスに、L字を描くように進めます。移動前のマスと移動後のマスの間にピース(駒)があっても、飛び越えられます。

王様を意味するキング(記号:K)は、最も大切なピース(駒)で、将棋でいう王将です。
縦方向・横方向・斜め方向に1マス進めます。移動したマスの相手のピース(駒)を取ることができます。但し、相手のピース(駒)に取られるマスには移動できません。
*自分のピース(駒)があるマスには移動できません。
チェスの特殊なルール

チェスには、基本のピース(駒)の動きのルールに加え、特殊なルールがあります。
プロモーション(昇格)

ポーンは、相手側最後の段のマスまで進むことができたとき、ポーンとキング以外のピース(駒)に昇格することができるルールです。これを「プロモーション」といいます。
相手のピース(駒)を多く取るのはもちろんですが、ポーンはルールが特殊なので、できるだけ多く、早いうちに取っておくことが戦略の一つといえるでしょう。
アンパサン(通過捕獲)

ポーンの基本の動かし方でご説明したとおり、最初の位置からの移動のみ2マス進めます。このとき、通過したはずのマスに進める相手のポーンがいた場合、2マス進んだポーンを取ることができるルールです。これを「アンパサン」または「アンパッサン」といいます。但し、アンパサンを使ってポーンが取れるのは、直後の一手のみです。相手の次の一手が終われば取られません。
*ポーン以外のピース(駒)では取ることができません。
キャスリング

キャスリングとは入城を意味する言葉通り、ルークがキングを守るテクニックです。
一度も移動していないキングとルークがあるとき、この2つのピース(駒)を同時に動かすことができるルールです。これを「キャスリング」といいます。
但し、このテクニックを使うには、以下の条件を満たしていなければなりません。
・キャスリングするキングとルークが一度も移動していない
・キングとキャスリングするルークの間に他のピース(駒)がない
・相手にチェックされていない
・キングが通過するマスと移動するマスが相手ピース(駒)に攻撃されていない

ガラスチェスセット
チェスの道具は、公式用チェスボードは45cm四方ですが、家庭用では小さいサイズもあり、チェス専門店だけではなく、玩具店や家電量販店やホームセンターなどでも気軽に購入できます。
木製やガラス製のおしゃれなものや、ピース(駒)がキャラクターになっているものは、ルールを覚えてゲームするだけではなく、インテリアとしても楽しめますよ!